くちびるを厚くする手術とは
くちびるを厚くする手術には、3種類の美容外科の手術法があります
部分的なものは、くちびるの粘膜の移動(皮弁)によりくちびるを厚く形成します。
全体的にくちびるを厚くする場合には、真皮脂肪移植をします。
決してシリコンやソフトフォーム(ゴアテックス)などの非吸収性人工材料は使用しないことが大切です。後日硬くなり、くちびるの感覚が悪くなるからです。
一時的なくちびるの組織増大に、ヒアルロン酸フィラーを使用する場合もあります。

くちびるを厚くする手術の欠点と利点
くちびるを厚くする手術のメリット
くちびるを厚くする手術のメリットとして、真皮脂肪移植の場合は、臀部など真皮の厚い箇所から真皮を採取し、これを口唇に移植します。真皮は、多くの毛細血管を含んでいる組織で、移植後定着しやすい組織です。

くちびるを厚くする手術のデメリット
くちびるを厚くする手術のデメリットとして、真皮脂肪移植の場合は、採取部位に傷跡が残ります。
皮弁法の場合は、大きなくちびるの組織増大ができません。
くちびるを厚くする手術の術後経過とアフターフォロー
真皮脂肪移植(ダーマルファット)でくちびるを厚くする手術
真皮脂肪移植でのくちびるを厚くする手術の場合は、採皮部位は10日で抜糸、口唇部は溶解糸のため抜糸を必要としません。
くちびるの腫れは、2〜3週間程度で落ちつき、約3ヶ月で固定します。真皮脂肪採取部位の創(きず)の赤みや硬さは1年程度で落ち着きます。

皮弁法(皮弁形成術)でくちびるを厚くする手術
皮弁法によるくちびるを厚くする手術の場合は、1週間後に抜糸します。腫れは、約2週間で落ち着きますが、傷跡の硬さが2ヶ月程残ります。
くちびるを厚くする手術の実際
くちびるを厚くする手術のポイント
- 使用する糸は、組織縫合(中縫い)には吸収糸、粘膜縫合(外縫い)には非吸収糸を使います。
- 移植する真皮脂肪ややや多めに採取します。
- 上くちびるは、上唇結節(くちびる中心のたかまり)をデザインします。
- くちびるの内外の境の線を乱さないように注意します。


真皮脂肪移植(ダーマルファット)でくちびるを厚くする手術
真皮脂肪をくちびるに移植
おしりなどから採取したドナーから真皮脂肪を取り出してくちびるに移植します。
真皮脂肪移植(ダーマルファット)での手術後は、かなり腫れますが2〜4週間である程度落ち着いてきます。
くちびるの硬さや腫れは、1ヶ月〜2ヶ月程度腫れとともに移植された真皮が硬さを持つようになってきます。
そして、くちびるの硬さや腫れが概ね落ち着くまでには、6ヶ月程度を要します。
脂肪を採取します。採取部分は丁寧に縫合します。

fig1.真皮脂肪をくちびるに移植
fig2.真皮脂肪の移植
くちびるを厚くする手術の詳細情報
施術時間 | 30分~1時間程度です。 |
---|---|
施術後の通院 | 術後10日採皮部の抜糸、口唇の抜糸はなし |
腫れについて | 2~3週間程度でかなり落ち着いてきます。 |
カウンセリング当日治療 | 可 |
入院の必要性 | 不要 |
麻酔 | 局所麻酔 |
洗顔・洗髪・シャワー浴 | 手術次の日から可 |
リスク(合併症・副作用 等)
感染 | 細菌やウイルス等による炎症。 |
血腫 | 術後、皮下や臓器からの出血が起こり、血液が貯留することです。 |
出血 | 術後やや多い量の出血を見ることです。 |
内出血 | 術後概ね起こる皮下の血液の組織への浸透で、自然に吸収されます。 |
瘢痕(創跡) | 全ての皮膚切開創は、多少の傷痕が残ります。肌質的に目立つ人もいます。 |
肥厚性瘢痕(ケロイド) | 傷痕の中でも、膨らみや硬さが強いものです。原因は、遺伝性のため術前には防御することができません。ただし、治療法がございます。 |
色素沈着 | 瘢痕の一つですが、色素(メラニン)の沈着が主な原因です。 |
アレルギー | 薬剤が原因のものが多いのですが、金属やテープ等でも発症することがあります。 |
予定形態との差 | なるべく患者さまの意見は取り入れるようにしますが、完全な表現は無理がある場合があります。 |
微妙な左右不対称 | 人間の体は左右不対称であるため、手術後にも左右不対称は起こりえます。 |
口唇の感覚障害 | |
口唇の凹凸感 |
くちびるを厚くする手術費用
項目 | 治療内容 | 金額 (消費税込) |
---|---|---|
口唇真皮脂肪移植(片側) | 片側の口唇に臀部からの真皮脂肪移植) | 440,000円 |
口唇真皮脂肪移植(両側) | 両側の口唇に臀部からの真皮脂肪移植 | 660,000円 |
美容的要素のあるものは自費になります。
くちびるを厚くする症例
症例1 口唇が薄いことにコンプレックス
口唇が薄いことにコンプレックスがあった患者さまです。臀部からの真皮脂肪移植を行いました。

術前

術後1年

術前

術後1年
この症例の価格
上下口唇真皮脂肪移植 モニター 52.8万円(税込)
この症例のリスク・副作用
傷跡、ケロイド、色素沈着、感染、出血、左右の非対称、口唇の感覚障害、口唇の凸凹感
症例2 他院で口唇縮小手術受けたところ口唇が小さくなり過ぎ、口が閉じれなくなった
他院で口唇縮小手術受けたところ口唇が小さくなり過ぎ、口が閉じれなくなりました。また、口唇の瘢痕も強く残りました。
一部瘢痕切除を伴いながら、臀部からの真皮脂肪移植を行いました。

術前

術後1年
この症例の価格
上下口唇真皮脂肪移植 瘢痕切除加算 モニター 63.8万円(税込)
この症例のリスク・副作用
傷跡、ケロイド、色素沈着、感染、出血、左右の非対称、口唇の感覚障害、口唇の凸凹感
症例3 真皮脂肪移植
口唇を厚くするため、臀部からの真皮脂肪移植をしました。

術前

術後

術前

術後
この症例の価格
上下口唇真皮脂肪移植 モニター 52.8万円(税込)
この症例のリスク・副作用
傷跡、ケロイド、色素沈着、感染、出血、左右の非対称、口唇の感覚障害、口唇の凸凹感
症例4 皮他院修正例
他院で口唇を薄くされ過ぎ形態的に不自然になるだけでなく口が閉じられなくなりました。口唇に真皮脂肪移植を6ヶ月ごと2回行い口唇の瘢痕修正とM形態を作成しました。

術前

術後

術前

術後
この症例の価格
上下口唇増大(真皮脂肪移植) M形形成 瘢痕修正 モニター 138.6万円(税込)
この症例のリスク・副作用
傷跡、色素沈着、感染、血腫、出血、左右の非対称、口唇の感覚障害、口唇の凸凹感