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粉瘤(アテローマ)とは

「おできが出来た」、「脂肪の塊が出来た」といった言葉を耳にすることがあるかと思います。
また,はじめは小さな「しこり」であったものの、放っておいたら徐々に大きくなり目立ってきたり,臭いが生じてきたりした経験がある方もいらっしゃると思います。

実は、このような形態をとる皮膚良性腫瘍が「粉瘤:アテローマ(Atheroma)」と呼ばれているものです。
その実態は、皮膚の表皮成分が皮下に埋入してしまい、袋を形成(嚢腫:のうしゅ)してしまうものです。袋の中は、皮膚の老廃物(つまり垢)で、多くの場合クサイ臭いがします。

原因は、多くの場合ベタベタの皮脂(あぶら)が毛穴に詰り(微小面靤)、老廃物が溜まって袋状になることです。そのため、出来やすい人は何個もできることが多いとされています。

治療方法ですが、毛穴の詰まりたての黒い状態(微小面靤)の場合は、特殊器具による圧出が可能です。
しかし、一度しっかりとした袋状の嚢腫(のうしゅ)を形成してしまうと、圧出では内部の袋が残り、しばらくすると同じ状態になってしまうため、手術による摘出が第一選択になります。

頬部にできたアテローマの例
頬部にできたアテローマの例

アテローマ(粉瘤)の切除方法

「頬部」の大きなアテローマ(粉瘤)です。
これを切除していきます。

アテローマ(粉瘤):術前

内部の嚢腫(のうしゅ)が取り出せる大きさにデザインします。

アテローマ(粉瘤)の切除:デザイン

縫合方法は黒子(ほくろ)の場合と同様に、丁寧に細かく縫合していきます。
大きい場合には、取り除いたスペース(死腔)に血液や体液が貯留して感染の原因となるため、ドレーンという細い管を入れることもあります。
傷痕をきれいにするために、形成外科的縫合法が重要なのは変わりません。

手術時間

30分程度(局所麻酔。1個あたり。大きもの、複数個ある場合は追加時間がかかります。)

粉瘤(アテローマ:atheroma)という名前について

実は「粉瘤(アテローマ:atheroma)」という名称はわが国特有であり,欧米の成書にはありません。動脈硬化した血管についた粥状のものをahteromaといいますが、ここから、嚢腫で内容物に粥状物が詰まったものの通称にすぎません。

粉瘤(アテローマ)は、動脈硬化した血管についた粥上のもの

この粥状物も体の脂肪分ではなく、皮膚の老廃物(垢のようなもの)で、長いこと放っておくと発酵し、そこから異臭を発します。この粥状物は細菌にとっては格好の繁殖場所となるため、突然化膿して腫れあがり、疼痛を生じることがあります(感染性粉瘤)。
いわゆる「粉瘤」は組織学的に主に3つのタイプにわけることができます。

  • 手掌や足底に発生する「表皮嚢腫epidermal cyst」
  • 中心部に面靤(Comedo)を有する「毛包嚢腫、漏斗部型Follicular cyst, Inhundibular type」
  • 表皮に変化を持たない「毛包嚢腫、峡部型Follicular cyst, isthmus type」

にわけることができます。
同じ粉瘤でも、ヘソを持つもの、深い位置に存在するものなど色々あるのです。

アテローマの進行

アテローマ(粉瘤)の手術費用

項目金額
(消費税込)
粉瘤(アテローマ)(切除法)健康保険扱い(切除範囲により公的に価格が定められています。)

美容的要素のあるものは自費になります。

アテローマ(粉瘤)切除の詳細情報

施術時間30分〜1時間
施術後の通院翌日術後チェック
顔面7日目、その他の部位10日目に抜糸の予定。
腫れについて2週間程度腫れがあります
カウンセリング当日治療基本的に不可
感染症の血液検査結果があれば可能
術部位により必要
入院の必要性不要
麻酔局所麻酔

このページの監修医紹介

院長 酒井 倫明

院長

さかい みちあき

酒井 倫明

日本形成外科学会会員
日本美容外科学会 会員
日本再生医療学会会員
日本皮膚科学会 会員
日本美容医療協会会員
日本臨床形成美容外科医会 会員