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人中短縮術

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人中短縮手術はとても難しい手術です。その基本になっているのが、唇裂手術の口輪筋吊り上げの理論です。この理論を理解して人中短縮手術を行えるとしたら、形成外科専門医の中でも唇裂手術をこなした医師に他なりません。

A) 人中短縮手術や、人中形成手術(鼻の下にできる、2つの峰とその間の凹んだ形態構造(=これを人中構造という)を形成する手術)では、口輪筋の処置が中心となります。
つまり、口輪筋の前鼻棘(ANS)(鼻柱の最も下方にある骨と軟骨でできた棘状の突起)への釣りあげ(サスペンジョン)をしっかり行えば、鼻の下の皮膚の切除は最小で十分なのです。私はせいぜい2mm程度の皮膚の切除しかせず、鼻の下の長さを半分にまですることができると考えています。皮膚切除が少なければ、皮膚の緊張が減り、傷跡も概ねきれいになるものです。
あなたの場合、確かに鼻の下は20mm以上ありそうですが、25mmはちょっとオーバーかもしれません。鼻孔底隆起(ノストリルシル)の直下で皮膚切開をおこないます。皮膚切除はおそらく2mmで十分でしょう。
口輪筋の人中窩の部分を切除し、口輪筋をANSに吊り上げます。あとは、丁寧に縫合すれば見違えるほど鼻の下は短くなります。
しかし、傷跡はすぐには綺麗にはなりません。一時的に硬く、少し盛り上がるかもしれません。また、一時的に赤みがでてきますが、3ヶ月程度ですこし落ち着くでしょう。縫合技術が優れている、形成外科専門医の手術を受け、アフターケアもしっかり行う様にします。

[コメント]

もともと、口輪筋は口唇の周囲を取り巻く様に存在する大きな筋肉で、鼻柱基部の上顎骨の突起である前鼻棘(ANS)ヘの強力な付着で機能しています。この口輪筋の付着を挙げる事で、鼻の下の組織が上へ押し上げられ、皮膚が縮み、結果的に鼻の下は短くなるのです。これは、唇裂手術の基本である口輪筋の挙上の応用なのです。

とかくに、人中短縮は鼻の下の皮膚を切除すると考えられがちですが、それは大きな間違いです。皮膚を切除すればするほど傷跡に緊張がかかり、傷跡が広がります。また、鼻孔や鼻柱の形態が変化して、不自然になるのです。

ここでもう一つの注意ですが、鼻孔底隆起(ノストリルシル)は決して無くしてはなりません。美容外科医師の中には、鼻孔底隆起ごと皮膚を切除すると鼻孔内に傷跡を隠せると説明し鼻孔底隆起を切り取ってしまう症例があります。かなり不自然感が出てしまうのですが、修正は極めて困難なのです。
鼻孔底隆起を残しながら傷跡を極力目立たなくさせるのが、人中短縮手術の大切な方法論になるのです。

人中短縮手術説明画像1

さて、人中短縮手術では、傷跡の綺麗さがとても重要になります。人中が短くなっても鼻の下に大きな傷跡が残ってしまっては、がっかりですよね。

傷跡は周囲の緊張が強いと汚く目立つようになり、緊張が少ないと綺麗になる傾向になります。したがって、口輪筋の吊り上げで人中部を短くし、皮膚の切除はなるべく最低にするようにデザインを施します。

人中短縮手術説明画像2

すなわち、鼻の下の口輪筋を 軟骨のANに吊り上げながら縮め、その上の皮膚を収縮させて鼻下の短縮を行うべきなのです。個人の肌質にもよりますが、皮膚に緊張力が少ないと傷跡は綺麗になるものなのです。

人中短縮手術 術前
人中短縮手術 術後
人中短縮手術 術後2

術後1年の傷跡です。思ったよりずっと傷跡が綺麗と感じられますね。

症例は鼻の下が長いのが気になっていた患者様です。人中短縮形成を行いました。
口輪筋の前鼻棘への釣り上げがポイントです。

手術費用(モニター価格):35万円

合併症、リスク:傷跡の目立ち、感染、色素沈着、閉口障害、傷跡周囲の感覚障害、など

このページの監修医紹介

院長 酒井 倫明

院長

さかい みちあき

酒井 倫明

日本形成外科学会会員
日本美容外科学会 会員
日本再生医療学会会員
日本皮膚科学会 会員
日本美容医療協会会員
日本臨床形成美容外科医会 会員