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脂肪注入・高濃度脂肪注入

自分の体から摘出した脂肪細胞を、お顔の膨らませたい箇所へ、注入を行います。皮下組織の多い部位(お腹、ふともも等)から脂肪を吸引し、注射器を用いて注入を行う簡単にできる美容外科の手術です。お顔がふっくらすることでアンチエイジング(若返り)効果を得ることもできます。

脂肪注入の概要

頬への脂肪注入の様子
頬への脂肪注入の様子

美容外科や形成外科の大切な技術に、組織移植があります。皮膚移植、真皮脂肪移植、軟骨移植、骨移植、筋膜移植そして脂肪移植(脂肪注入)が挙げられます。
自分の体から摘出した脂肪細胞は、5時間以内ならそれを自分の膨らましたい箇所に注入移植し、移植された脂肪細胞はそこである程度生着します。ただし、その定着率は20%程度です。
最近、皮下脂肪の中にもわずかですが幹細胞(今後いろいろな細胞へ分化する事が可能な細胞)が含まれることが分かってきました。この脂肪幹細胞を濃縮する事で、脂肪注入の効果や定着率を上げる技術がでてきました。これが高濃度脂肪注入(Concentrated Lipo Injection : コンセントレーテッド リポ インジェクション)といわれるものです。
自分の体から脂肪を摘出する事は、簡単な脂肪吸引法で可能です。また脂肪移植は注射をする方法で簡単に注入できるのです。
高濃度脂肪注入の場合には、脂肪を厳選するのに遠心分離という、ちょっと手間をかけます。
脂肪移植の技術は他にも脊髄の手術の際の神経の保護に利用されたり、尿道周囲に移植したり、他の手術治療にも活躍している安全で確立した手技なのです。
もし、顔の皮下脂肪等が減少して、凹凸感が気になったり、頬やこめかみがげっそりした感じを簡単に矯正したいなら、私は脂肪注入・高濃度脂肪注入の技術をお勧めします。


脂肪注入が応用できる場所

脂肪注入が応用できる場所

脂肪注入の症例

上眼瞼の陥凹性変化の脂肪注入

加齢とともに上まぶたが落ち窪むことがあります。これは眼窩内(がんかない)脂肪の下方への移動(たれこみ)や減少が原因です。美容外科用語で「サンケンアイズ」と呼ばれています。
脂肪注入の最も良い適応になります。

症例1

上眼瞼の脂肪注入 術前

術前

上眼瞼の脂肪注入 術後

術後


上眼瞼の脂肪注入 術前

術前

上眼瞼の脂肪注入 術後

術後


症例2

上眼瞼皮下に脂肪を注入 術前

術前

上眼瞼皮下に脂肪を注入 術後

術後


上眼瞼皮下に脂肪を注入 術前

術前

上眼瞼皮下に脂肪を注入 術後

術後


眉上皮膚切除(ブロウリフト)とともに上眼瞼皮下に脂肪を注入しました。アンチエイジング手術としては最も効果がある方法だと思います。
手術は高濃度脂肪注入1回のみの12ヶ月後の状態です。

症例3

注入前の状態

術前

注入から12ヶ月後の状態

術後


上まぶたの皮下に1cc程度脂肪を注入しました。最初の注入から3ヶ月後に再度1cc程度の脂肪を注入したあと、12ヶ月後の状態です。

ほほに張りをもたせたり、法令線を目立たなくさせる脂肪注入

症例4

法令線を目立たなくさせる脂肪注入 術前

術前

法令線を目立たなくさせる脂肪注入 術後

術後


法令線が目立って来たとともに頬の下垂がきになっていた患者さまです。
フェイスリフトの適応も考えましたが、まず、簡易な脂肪注入を選択してみました。
高濃度脂肪注入を3ヶ月おきに2回施術後6ヶ月の状態です。

症例5

注入前の状態

術前

高濃度脂肪注入1回し術後3ヶ月

術後


法令線を目立たなくさせるために脂肪注入を行いました。高濃度脂肪注入1回し術後3ヶ月の状態です。

顔全体のアンチエイジングを考えた脂肪注入:頬、こめかみ、法令線への脂肪注入

症例6

頬、こめかみ、法令線への脂肪注入 術前

術前

頬、こめかみ、法令線への脂肪注入 術後

術後


やや古い症例で2年間にわたり6回単純脂肪注入を続けた方です。
最終脂肪注入から1年が経過しています。両頬に広範囲にやや多めの脂肪を注入しつづけました。まるでフェイスリフトを受けたように肌の張りが戻り、法令線等も目立たなくなっています。

欠点と利点

脂肪注入・高濃度脂肪注入のメリット

自分自身の組織を使うため、極めて安全。また多量の脂肪注入の場合は価格的にもかなりリーズナブル。コラーゲンやヒアルロン酸注入と異なり、必ず一部が自分の組織として残り定着する事。
技術的には難しいが手術は極めて簡単である。
さらに高濃度脂肪注入では、定着率や注脂肪の質が向上するため、ますます、良い治療法となる。

脂肪注入・高濃度脂肪注入のデメリット

脂肪定着まで数回の手術が必要なこと。

手術の実際

手術のポイント

  • 脂肪注入では一カ所に多量に注入せず、少量ずつ他個所に注入する
  • ある程度の結果がでるためには多数回の施術が必要なことをお知らせする
  • できるだけ高濃度脂肪注入を利用する

1.まず脂肪吸引をします

大腿部から採取
大腿部から採取

採取部位(ドナーサイト)はおおむね大腿部が優良候補です。脂肪吸引の際にはチュームセントという、麻酔薬や生理食塩水を混入した薬液を採取部位に多量に注入します。
そのため、脂肪吸引ではほとんど痛みはありません。


2.生理食塩水で洗浄

採取した脂肪は生理食塩水で洗浄し、まず、大きな不純細胞を除去し、続いて血液成分やチュームセントを脂肪組織と選別します。

生理食塩水で洗浄
脂肪組織と選別

3.遠心分離を行う

洗浄、選別された脂肪細胞洗浄、選別された脂肪細胞
滅菌試験管に入れたところ滅菌試験管に入れたところ

遠心分離器へセット遠心分離器へセットします
遠心分離を行う遠心分離を行います

4.脂肪を分離する

脂肪を分離する
遠心分離が終了した脂肪の状態遠心分離が終了した脂肪の状態

5.優良な脂肪のみを選別

底面の液体を吸い取り、上層の軽い脂肪層を除去し、重い優良な脂肪のみを選別し脂肪幹細胞の豊富な高濃度脂肪を作成します。

遠心分離した脂肪から更に選別遠心分離した脂肪から更に選別
脂肪感幹細胞の豊富な高濃度脂肪脂肪感幹細胞の豊富な高濃度脂肪

6.脂肪を注入していきます

やや太めの注射針で脂肪を注入していきます。注入前に局所麻酔をします。 施術に際しては多方向・多層に脂肪を少量づつ注入します。

局所麻酔の後に注入局所麻酔の後に注入していきます
多方向・多層に注入多方向・多層に注入していきます

手術時間と術後の経過

自家脂肪の採取は概ね大腿部、臀部、腹部のいずれか一カ所を選択して単純脂肪吸引でおこないます。きわめて簡単で安全です。採取に20分程度、脂肪の選別と洗浄に15分程度が必要です。
単純な脂肪注入の場合は、採取した脂肪を必要な箇所に注射するだけです。
また、高濃度脂肪注入の場合は、洗浄脂肪を遠心分離し幹細胞が多量に含まれる重めの脂肪だけを分離生成します。その後、注射で必要な箇所に注入をします。なお、遠心分離とその後の生成に概ね30分が必要です。
注入部は局所麻酔を行うためやや腫れていたり、脂肪注入のため若干内出血が起こったりしますが、2週間程度でほぼおちつきます。その後、注入した脂肪は、除徐に吸収をうけます。

アフターフォロー

脂肪採取部位は手術直後に包帯で圧迫をします。次の日からはガードルやサポーター等で1週間程度は圧迫します。抜糸は通常はありません。シャワー浴やシャンプー洗顔は次の日から可能です。術後4〜5日で全身入浴も可能です。
脂肪注入部位は一時的に膨らんだり凸凹感もありますが、2週間程度でかなり 馴染んできます。
定着率は通常の脂肪注入で20%程度。高濃度脂肪注入でも30〜40%程度と推察されています。したがって満足できる結果がでるまでは、ある間隔を空けながら、多数回の施術が必要となります。

合併症

現在は機械的に安全に手術ができるようになりましたが、次の事項には十分注意も必要です。

  1. 感染
  2. 凸凹感
  3. 血腫形成
  4. 注入脂肪の硬化

脂肪注入の手術費用

項目 金額
(消費税別)
脂肪注入(高濃度)1回あたり 25万円
上眼瞼のみの脂肪注入 1回 15万円
下眼瞼のみの脂肪注入 1回 15万円

脂肪注入の詳細情報

施術時間 30分〜45分
施術後の通院 初回のみ翌日チェック。7〜10日後に抜糸。1〜2ヶ月後状態観察。
腫れについて 脂肪採取部位、脂肪注入部位の内出血様変化や腫れは2週間程度で改善。
カウンセリング当日治療 基本的に不可。感染症の血液検査結果があれば可能。
入院の必要性 不要
麻酔 局所麻酔
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